意外と高い保育料減額と免除する方法
女性の社会進出に伴い、子供を保育園に預けて働くお母さんが増えました。雇用状態にかかわらず、安心して子供を預けられる保育園は不可欠な存在となっています。
しかし、働いているのに保育料が高く、給料より高くなってしまうかたもいます。そうなると考えるのが保育料の減額です。少しでも安くなったら良いと思いませんか?
保育料は自治体によって計算方法は異なりますが原則は同じです。条件を満たせば減額、免除も可能です。また、正社員からパート勤務にするなど勤務体系を変えたりすると節約することもできます。
保育料の決定方法
4月1日時点での保育所入所児童の年齢と、保護者の前年の所得税額または住民税額によって決まります。自治体に保育料の額や減免の額が異なります。
保育料は前年所得税額で計算されますが、前年所得税額が100,000円だった場合、関東地区の認可保育園であれば、25,000円以上の差がでています。これは平成24年度の東京新宿区、神奈川県横浜市、千葉県千葉市の例ですが、このように自治体によって保育料が大きく変わります。預け先の自治体ではいくらになるのか確認が必要です。
また、保育料は子供の年齢によっても違います。0歳児の乳児、~3歳未満、3歳以上に分けられていることが多く、年齢が低くなるほど保育料が高くなります。先ほどの例でいいますと、東京都新宿区の認可保育園では、3歳未満児が21,500円に対し、3歳以上児だと14,300円です。3歳未満だとやはり割高になるようです。
さらに、預ける子供の人数によっても保育料は変わります。1人の入園よりも2人以上の入園のほうが安くなります。これも減額の割合が自治体によってかわりますが、2人が半額になったり、3人目以降のこどもは保育料免除されます。3人目以降免除する自治体は多いようです。
2人目が半額になると、3歳未満児であれば減額の幅は大きくなるますので、保育料の負担を少し抑えられます。
「所得」で保育料が決まる
さきほどの話にもあった前年所得税額です。自治体によっては、住民税額で計算することもあります。この計算をするときは、住宅取得等特別控除や配当控除などの税額控除を差し引く前の税額になります。人によって金額がかわりますが、計算方法と自治体の保育料が分かれば、自分で保育料の計算をすることも可能です。
平成23年から、年少扶養控除等、所得税法の改正によって廃止されているものがありますが、廃止していないものとして計算されています。
母子家庭ではどうでしょう。注意してほしいのが、母親1人の所得にならない場合があります。自治体によって母子家庭の場合、保育料が免除されることもあります。しかし、そこに同居している人がいない、または所得がない人との同居が条件です。父親がいなくても、同居している人(祖父母)に所得があり、母親のみの所得では生活が成り立たないなどと判断される場合、同居人の所得が合算されます。
これは、同居人の所得によって生計をたてていると判断されるからです。同居ではなく、近所に住んでいて実家の援助を受ける場合には世帯が分けられるため免除されますが、自治体によっては考慮されない場合もあります。
ちなみに母子家庭だけではなく、父子家庭の場合にも免除や減額が認められることがあります。前年の所得税額が半分以下になった場合や、ひとり親家庭で所得が低い市民税非課税世帯では、減免が適用になる自治体もあるので、問い合わせてみてください。
保育料減額制度とは
減額されるには条件があります。この条件は、事情があり保育料の支払いが困難な場合に適用されることがあります。自治体で詳細は変わります。ここでは東京都練馬区の保育料の制度を例にあげます。
- 世帯全員の区市町村民税が非課税または免除のとき
- 本年中に災害や盗難等による損失をうけたとき
- 本年中に多額の医療費の支出があったとき
- 本年中に扶養家族がふえたとき
- 主として生計を維持しているひとが失業したとき
- 直近3か月間の収入が、前年平均収入額の90%以下になったとき
- 認可保育園に預け、月22,300円以上を支払っているとき
- 同世帯に身体障害者手帳1~2級の身体障害者や愛の手帳1~3度の知的発達障害者がいるとき(その児童本人が障害児などに該当している場合も含む)
など、項目がたくさんあります。この詳細は自治体によって違いますし、急にこの状況になったときのために覚えておくと良いでしょう。
しかし、最長で申請した年の年度末までになるので、4月以降も継続する必要がある場合は再度申請が必要になります。
また自治体によっては、申請すると保育料の算定期間が半年のところであれば、申請する時期によっては支払った保育料の差額が戻ってくる場合もありますので、自治体に確認してみましょう。
保育料減免の手続き方法
では減免の手続きと必要となる書類はなんでしょうか。必要となる書類は減免のケースによって異なるので、ケースによっては複数の添付書類が必要になることもあります。これらの書類は市町村役場の保育課でもらうことができます。また市町村役場のホームページからインターネットでダウンロードできるものもあります。
このようにケースによって添付書類が変わるのです。複数のケースが重なる場合には、それぞれ書類が必要となります。申請するときには、どのケースに該当するのか、それに伴う書類はなにか確認する必要があります。
必要書類を揃えたら、保育料減額申請書と一緒に市町村役場に提出します。しかし提出したからといって必ず減免されるわけではありません。自治体で審査をし、申請された内容が妥当だと判断されると減額や免除がされるのです。審査には時間がかかる場合もありますが、減額や免除されたときには、自治体から内容変更の手紙が届くようになっています。
上記は例として東京都練馬区の場合です。市町村によって制度は異なりますし、審査基準も違います。詳しくはお住まいの市町村役場で相談してください。
保育料を安くすることは可能
どちらとも扶養の範囲内に抑えることができれば、保育料が安くなるので家計全体でみたときに得になる場合があります。時短勤務されているかたも時間や給料の変動があるので、勤務先の職場に相談してみるといいかもしれません。
また、社会保険料控除を利用しましょう。国民年金加入者であれば、3歳未満児を預ける場合には国民保険料を2年分まとめて前納することにより、1年でまとめて控除ができるので所得が減ります。また、付加年金や国民年金基金に加入すると、保険料をたくさん払うので所得が低くなり所得税や住民税を安くできます。
老後の年金作りにもなりますし、節税につながるので保育料も安くなります。働き方を工夫したり、節税をするだけで保育料には大きな差が出てきます。