親からお金を借りる
お金に困ったとき、あなたならどなたに相談するでしょうか?
重要な問題ほど相談する相手は慎重に考えなくてはなりません。さまざまな人が思い浮かんだ中でもやはり両親が最も信頼できる存在と感じたのではないでしょうか。
学生であれば親にお金を借りることへの抵抗は少ないかもしれません。学業優先が大きな言い訳となり、親からの借り入れも難しいことではない時代もあったものです。
しかし社会人となり、収入を得ているときにはどうでしょうか?
理由にもよるはずです。
最近では二世帯住宅も多くなりました。住宅ローンの資金を親との共同返済で賄う家庭もあるでしょう。
例えば、これから住宅を購入することを検討している場合ならば、相談に応じてくれる可能性もあります。
無税でこっそり親から借りることってできる?
一般的に「親からお金を借りても税がかからない」と思っている方も少なくありません。借りる金額が少なければほとんど問題になる事はありませんが、子供が居住用の家を買ったり、子供がお店を開業したりする時、両親にお金を借りる事は、実際にある事です。
親族からお金を借りる事は、本来贈与税はかかっていませんが、場合によっては贈与税を支払わなければならない事があります。
ひとつは、借りたお金の利息を無利子にしている場合で、その利子相当分は贈与とみなされてしまう事があります。
ただし、利息分のみを贈与と判断されてしまった場合でも、一年間で110万円までは非課税という制度があるので、利息相当額が110万円以下であれば贈与税は不要です。
もうひとつは、借入金の全額が贈与税とみなされる場合で、「出世した時に払ってくれればいいよ」とか「商売が軌道に乗った時でいいよ」と言うような場合、本来のお金の貸し借りとは考えにくく、贈与税を支払わなければならなくなる場合もあります。
借りたお金に贈与税を支払わない為に、借金であることを明確にするために、親に対して「金銭消費賃借契約書(借用書)を書く」という事です。
金銭消費賃借契約書を書く時は
- 契約書の作成日付
- 借主の氏名・住所・押印
- 貸主の氏名・住所・住所・押印
- 金額
- お金を渡した日付
- 返済方法・返済期日
- 利息
- 遅延損害金
- 期限の利益の喪失
を記入するようにしなければなりません。
記入する時の注意点は
- 署名は直筆で書きましょう。それ以外は基本パソコンで作成して問題ありません。
- 捺印は、拇印でも問題ありません。
- 契約日は、お金を貸付けた日としてください。
金銭消費賃借契約書を2通作成し(保証人が必要な場合は3通)作成する必要があります。
自分たちで作った契約書が法的に有効なのかどうかが心配な場合は、行政書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
契約書作成に時間を費やしたり、作った借用書が無効になる事を考えれば、行政書士に依頼しても3万円程度の費用だけなので、専門家に任せる事をおすすめします。
贈与税が発生しない対策
住宅購入費用の頭金、その他でも大きな金額を親から借り入れるときには、税務対策もしっかりと行っていかなくてはなりません。
それでは、贈与税がかからないためにはどのような対策が必要なのでしょうか?
それは、借用書の作成です。
親子間であっても金銭賃借の契約書を取り交わし、その内容には細かな項目を明記しておく必要があります。
また、返済の都度、その証明をしなくてはなりません。領収書の発行もしくは、口座振り込みの場合には通帳に残された履歴も重要な証明です。
親子間であってもお金を借りる以上それは借金に変わりはありません。税金対策ができていても、返済の義務があります。
信頼がおける関係だからこそ、その信頼を失わないためにも返済を間違いなく行っていく計画を立てましょう。